<鹿島硬式野球部都市対抗の軌跡>

第4回は、2010年、2011年と2年連続で「黄獅子旗」を獲得した時の監督、平野和男さんに当時の思いを振り返って頂きました。

 

【第Ⅳ部】 勝利への執着心~情熱・魂の結束~  (当時の監督(現野球部顧) 平野和男)

 

2010年は2年連続で都市対抗本大会出場を逃し、何が何でも都市対抗本大会に出るんだという強い覚悟を持ってスタートした。

この年のチームの特徴は、休部した日産自動車からエース石田が移籍して投手陣の柱となり、攻撃陣は4番二村を中心に前後をベテラン・中堅・若手とバランスよく打線を組むことができた。

 

北関東予選(2005年から2チーム出場となり、4チームによるリーグ戦方式となった)は、初戦日立製作所に完敗し、2戦目富士重工業戦も9回裏2アウトまでリードを許し、追いつめられたがキャプテン橋本の一振り逆転サヨナラ満塁ホームランで劇的な幕切れとなり、本大会出場に望みを繋いだ。

翌日の3戦目で全足利クラブを破り、3年振りに本大会出場を決めた。最後まであきらめず、粘り強く戦う住金野球を見せられた瞬間であったと思っている。

 

本大会は予選で劇的な勝利を収めた勢いのまま臨み、富士重工業からの補強選手も十分機能して戦えた本大会であった。

1回戦対九州三菱自動車

石田と相手エースとの投げ合いとなり、緊迫した投手戦を演じた。1点を争う試合展開のなか、9回福盛の決勝タイムリーで勝ち越し、2-1で勝利。

(8回にエラーした福盛に取り返してこいと送り出し、よくぞ打ってくれたと思う。)

2回戦対伯和ビクトリーズ

1回戦同様にエース同士の投げ合いとなり、またも1点を争う試合になった。タイブレークとなった延長11回代打橋本のタイムリー、新人小島(現オリックス)のスリーベースで4点を取り、5-1で勝利した。

準々決勝対ヤマハ

序盤に4番二村のホームラン等で4点を先取し、先発小出(富士重工業より補強)の熱投もあり、何とか4-3で逃げ切った試合であった。

準決勝対東芝

優勝候補の最右翼である東芝と対戦。エース石田が期待通りのピッチングを見せ、強豪東芝を2点に押さえたが、打線が相手投手に沈黙し、0-2で敗れた。

 

本大会では、特に先取点を意識し、できるだけ自分達のペースで試合運びができるように意識し、勝利への執着、チーム全員の結束を掲げ采配をしたことを覚えている。

また、初戦21000人を超える大応援団に大きなパワーをもらい、背中を押してもらい、応援団の皆さんと一体となって戦い「黄獅子旗」を獲得出来たと確信している。

野球ができる喜び実感し、会社、職場、地域の皆様に感謝の気持ちを改めて感じた瞬間であった。

 

最後に現役選手へ、3年間の思いを込めて戦ってほしい。どのチームにも優勝のチャンスはある。出来る限りの準備をして自信をもって堂々と戦ってほしい。

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本大会出場を決め、胴上げされる当時の平野和男さん

 

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